Christmas Night おまけ
イカルスで進君と別れた守さんは久しぶりに会う娘のもとへ。
「サーシャ、大きくなったな。顔を良く見せておくれ」
ちょっぴり恥ずかしそうに父のもとに駆け寄ってきた。
「おとうさまぁ。どうして直ぐ来てくださらなかったの?
すすむおじさまにもお会いしたかったのに……」
ピンク色の頬をちょっぴり膨らませてみる。
「仕方ないだろう。ここにサーシャがいることは内緒なんだから。
その進とユキからサーシャにクリスマスプレゼントを預かってきたんだけど見るかい?」
大きな荷物から可愛くラッピングされたものを差し出した。
ひとつひとつ丁寧に開けていくと中から出てきたものに瞳をきらきらさせている
娘を見ている二人の父親がいる。
「わあ、かわいい。男の子と女の子のお人形さんね。
今日はお友達がいたけどいつもは一ひとりで遊んでいるのよ。
これからはひとりじゃないのね、おとうさま」
嬉しそうに訴えている。
そんなサーシャが可愛くてたまらない。
「サーシャ、寂しいかい?もう少しの辛抱だから…
もう少ししたら一緒に暮らせるよ。
その時進にも合えるからそれまではそのお人形を
進とユキだと思って一緒に遊んであげなさい。」
月並みなことしかいえない父親を振り返り、
「そうする。お人形さんのお名前決めたわ。
男の子はスーくん、女の子はユーちゃん。
ね、いい名前でしょう?おとうさま!」
その言葉を聞いた二人の父親は噴出しそうな笑いをこらえて
「そうだな、いい名前が付けられたね。」
やさしく娘を抱きしめた。
「進とユキに人形の名前を教えてあげていいかい?きっと喜ぶと思うよ」
抱きしめている腕をそっと外して聞いている。
「おじさま、よろこんでくれるの?」
小首をかしげて父親に聞いてくる可愛らしいしぐさも愛しくなる。
「ああ、きっとね。お父様から伝えておくよ。
だから遊んでおいで。お友達が待っているよ」
同じぐらいの子供たちの中に駆けていく後姿を見て
「あっという間に大きくなってしまうものだな。
もう暫く父親代わりを頼むよ、真田」
自分の脇にいる親友に向って頭を下げる。
「何を言っているんだ?無理やり押し付けたくせに。
まあ俺も楽しんでいるから心配するな。
さっきは焦ったぞ。進がいるのにこんなところに居るから…」
「すまん、早く逢いたくなってしまってな。進のことをすっかり忘れていたんだ。
勿論、ごまかしてくれたんだろう?」
ニヤリと笑って話しかける。
「こんなこともあろうかと、
近くの基地から子供たちを見学に来させていたんだからな」
不敵な笑いを親友に返しました。
サーシャと楽しいクリスマスを過ごした守さんは、進君たちを探しました。
今日は二人とも出勤しているはず。
お昼近くになってカフェテリアに居る二人を見つけた。
「進、ユキ。こんなところに居たのか。探していたんだ」
そう声をかけて進君たちのテーブルに着いた。
「お帰り、兄さん。サーシャは元気にしてた?」
そう聞く進君に守さんは、
「ああ、元気いっぱい飛び回っていたよ。
プレゼントもとっても喜んでいたぞ。
そのサーシャからの伝言があるんだ。
お人形ありがとうと言っていたぞ。
それと人形に名前を付けたみたいだ。
スー君とユーちゃんだそうだ。お前たちの名前だな」
クスクス笑いながら席を立っていってしまいました。
後に残された進君たちは唖然としていました。
そこへ、南部君と相原君が現れて、
「何をしているんですか?古代さん、ユキさん。
僕たちからのプレゼントのワインのお味はいかがでした?」
その声を聞いて顔を向けた瞬間、
「ああ、美味しかったよ。でもあのラベルは何だぁ。
それに何人に渡したんだあのワイン」
ちょっぴり睨んだ進君に、
「いいじゃないですか、ヤマトのメンバーに渡すぐらい。
それよりご一緒していいですか?」
南部君たちはニヤニヤと笑いながらテーブルに着いた。
「お二人さん、昨日はとっても楽しんだご様子ですね。
もう少し気をつけたほうがいいですよ。ここ」
そういって南部君は自分の首筋を指差しました。
見る見るうちに真っ赤になっていく二人をからかいながら
南部君と相原君は今日のランチ代を浮かせたそうです。
楽しむのはいいけど十分気をつけましょうね、古代君、ユキちゃん。
おしまい
つづきません。ったらつづきません。
「ほんとかなぁ……
そんなこと言ってまた
俺たちで遊ぶんだろうなぁ……」by進&ユキ
(背景:)
(MIDI:Carol )